トップ > ニュースリリース一覧 > 自然開口向け内視鏡用視野確保ゲル「ビスコクリア」新発売
2020年9月11日
株式会社大塚製薬工場(本社:徳島県鳴門市、代表取締役社長:小笠原信一)は、「消化管内視鏡視野の確保」の効果をもつ医療機器として、自然開口※1向け内視鏡用視野確保ゲル「ビスコクリア®」(以下、本製品)を10月14日より新発売いたします。
本製品は、食道・胃・十二指腸・小腸・大腸の消化器内視鏡検査や消化管内の処置、治療において、内視鏡を通して消化管内に注入し、血液などにより生じる内視鏡の視野不良を改善するための、血液などの拡散や流動を抑える粘性を持つゲル状の製品であり、自治医科大学の矢野医師らのグループの報告※2を基に開発した、類似品のない管理医療機器です。
消化管などを内側から直接的に観察できる内視鏡を用いた検査や治療は、外科的な手法と比べて患者さんの身体的・精神的な負担が少ないこともあり、医療現場で一般的に行われています。内視鏡で消化管内を詳細に観察するためには良好な視野が求められますが、出血や食物残渣などにより視野が不良になる場合があります。通常、観察部位を見やすくするため送気や送水などが行われますが、血液や凝血塊※3混じりの液体が消化管内にたまってしまった場合や、大量出血の場合などは、観察部位の良好な視野の確保が困難になります。
このような場合、透明で血液などの拡散や流動を抑える粘性を持つゲル状の本製品を内視鏡の先端から注入することにより、内視鏡前面に透明な空間が作り出され、良好な視野を確保できます。これにより、これまで視野不良によって内視鏡治療が困難であった状況においても止血術などの内視鏡治療が容易となり、消化器内視鏡検査や治療へ貢献することが期待されます。
大塚製薬工場は今後も手術周辺領域の研究開発を推し進め、革新的な製品を創出することで、医療への貢献を目指してまいります。
大塚グループは、"Otsuka-people creating new products for better health worldwide"の企業理念のもと、世界の人々の健康に寄与してまいります。
※1 口や鼻など、人体に備わった自然の開口部。
※2 Tomonori Yano et al.: Gastrointest Endosc. 2016 Apr;83(4):809-11. doi: 10.1016/j.gie.2015.09.048.
※3 血液中の血小板、たん白、細胞が互いに固着し合うことにより形成される血液の塊のこと。
製品概要 |
製品名 | ビスコクリア® | |
類別 | 機械器具25 医療用鏡 | |
一般的名称 | 自然開口向け内視鏡用視野確保ゲル | |
医療機器クラス分類 | 管理医療機器(クラスⅡ) | |
使用目的又は効果 |
本品は、消化器内視鏡検査・治療における食道・胃・十二指腸・小腸・大腸の内視鏡視野の確保を目的に使用する。 |
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形状及び組成※4 |
形状:ゲル状 組成:キサンタンガム、ローカストビーンガム、濃グリセリン、精製水 |
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原理 | 本品は、血液や便・食物残渣などの拡散や流動を抑える粘弾性特性を有するため、その結果として、内視鏡視野の前面に物理的な透明空間の確保が可能となり、良好な視野を確保できる。 | |
使用方法 |
標準的な使用方法を以下に示す。 なお、使用量については、それぞれの専門の立場から適切に判断すること。 (1) 用時に開封し、本品をビーカー等の別容器へ移し替える。 (2) 本品をシリンジに吸引する。 (3) 内視鏡の鉗子栓スリットにシリンジを差し込み、十分な視野が得られるまで、鉗子チャンネルを介して消化管内に本品を注入する(使用部位や出血の程度によって異なるが、1処置当たり200~600gを目安に注入する)。 (4) 常法の処置を行った後、注入した本品を内視鏡の吸引機能を用いて可能な限り吸引除去する。 |
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包装 |
200g×10、200g×10×3 |
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使用期限 | 1年 | |
発売年月日 | 2020年10月14日 | |
保管方法 | 室温保存 凍結を避けること | |
希望小売価格(税抜き)※5 | 200g×10 | 20,000円 |
200g×10×3 | 60,000円 | |
製造販売元 | 株式会社大塚製薬工場 | |
販売提携 | 大塚製薬株式会社 |
※4 既存の食品や医薬品において使用実績のある原料で構成しています。
※5 希望小売価格は参考価格として表示したものです。