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革新的な容器開発への取り組み

使いやすさ、感染防止へ進化を続ける輸液容器

当社が各種注射液の製造を始めた1946年から1950年代にかけて、輸液容器はガラス製でした。重くて割れやすいというガラス製容器の欠点を克服すべく、当社は輸液用プラスチックボトルの製造を行っていたスイスの会社からその技術を学び、日本で初めて輸液用プラスチックボトルを開発、1968年から販売を開始しました。さらに容器の透明度や強度を高める改良を推進する一方、1986年にはソフトバッグを開発し、以後、ダブルバッグ、トリプルバッグ、クワッドバッグなど高性能のソフトバッグを次々と開発しています。

輸液容器の歴史

ダブルバッグ、トリプルバッグ、クワッドバッグの開発

栄養補給のための輸液は、ブドウ糖やアミノ酸、電解質、ビタミン、微量元素などを混合する必要がありますが、これらを混合して長期間保存すると化学変化を起こし劣化してしまいます。このため従来は、使用直前に医療機関でそれぞれの製品を混合していましたが、混合を忘れるリスクや細菌が混ざってしまうリスクもありました。こうした問題を解決したのが、当社で開発した「マルチバッグ」であり、その最初となるものが1994年に発売した「ダブルバッグ」です。上下2室のダブルバッグに薬液を分け、使用前に隔壁を開通することで、無菌的かつ容易に混合調製を行うことができます。2004年にはダブルバッグに小室を加えた「トリプルバッグ」を発売、2009年には上下2室のソフトバッグに二つの小室を加えた世界初の「クワッド(4室)バッグ」を発売しました。

大塚製薬工場が開発した輸液容器の変化
クワッド(4室)バッグ
混合調整を無菌的に行います。

抗生物質キット製剤に用いられる大塚マルチチャンバーバッグシステムの開発

注射用抗生物質は、その製剤の大半が溶解調製の必要な粉末の状態です。医療機関ではこれを50~100mLの小容量溶解液に溶かして点滴注射することが一般化しており、これには無菌操作が必要なため、医療従事者にとって大きな負担となっていました。私たちは、より安全かつ簡便に混合調製できる容器の研究開発に取り組み、1995年に抗生物質と溶解剤がワンプッシュで無菌的に調整できる「大塚マルチチャンバーバッグシステム」を開発し、その技術を活用した日本初となる抗生物質キット製剤を開発しました。これにより薬液の取り違えなどの医療過誤の防止にもつながるとして、医療機関から高い評価を頂いているほか、現在では、このシステムが他社の抗生物質キット製剤でも活用されています。

1.無菌性 無菌状態での薬剤調整ができます。 2.利便性 操作が安全で簡単、短時間で確実な薬剤調整が可能です。 3.省スペース 在庫スペースの軽減がはかれます。(保管容積が従来品の60〜70%) 4.易廃棄 分別廃棄の必要はありません。(焼却してもダイオキシンの発生はありません)
(1)使用時に外装を開封する (2)本品を展開する (3)溶解液部分を手で押して隔壁を開通させる。この操作を2〜3回繰り返して薬剤を完全に溶解する。 (4)溶液を確認する。開通確認シールをはがす。 (5)輸液セットを装着する。

消毒剤と塗布器を一体化した独自のアプリケータ製品化技術を日本へ

患者さんの手術時の感染防止対策として、外皮用消毒薬は大きな役割を担っています。当社は、1992年に発見された有効成分に着目し、実に23年間に及ぶ粘り強い研究の末、日本で50数年ぶりとなる新規外皮用殺菌消毒剤を開発しました。同時に、米国の医療機関では一般的に使用されている消毒用アプリケータ(塗布器)を独自の技術で改良し、消毒剤と塗布器を一体化した日本初となるアプリケータ型の消毒剤として販売を開始しました。この製品が、簡便で衛生的かつ迅速な塗布が期待できる製品として、患者さんや医療従事者に貢献することを願っています。

管理・準備の省力化
  • ・消毒剤と塗布器が一体化しているため、移し替え容器や綿球、鑷子(かんし)の準備が不要
  • ・器具の洗浄・滅菌も不要
衛生的かつ迅速な消毒操作
  • ・使い切り製剤であるため、薬液の使い回しによる微生物汚染・異物混入のリスク低減が期待される
  • ・ワンプッシュで消毒準備が整い、迅速な消毒操作が可能
従来の消毒方法→アプリケータで提案する新たな消毒システム