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リスクマネジメント

経営戦略としてのBCM(事業継続マネジメント)

当社は、BCM(事業継続マネジメント)を経営戦略と位置づけ、BCM基本規程を制定し、経営危機をもたらすリスクの未然防止と、発生した場合の被害拡大防止のため、さまざまな取り組みを行っています。業務プロセスやサプライチェーンの見直し、チェック体制の構築など内部統制の整備やコンプライアンスの推進とともに、リスク自体の発生を抑制しながら、自然災害など避けることのできないリスクに対しても被害を最小限に抑えるための減災対策を講じています。

事業継続マネジメントシステムの国際規格「ISO22301」を取得

大塚グループでは、大規模地震や災害発生時にも最大限、事業活動を継続し、製品の安定供給が図れるよう、事業継続計画(BCP)を策定しています。

大塚グループは、今まで個々のグループ各社で実施していた取り組みを見直し、大塚ホールディングスおよびグループ各社が共同し、グループ全体で事業継続に取り組む体制を構築しています。2012年8月「医薬品、飲料および食品の生産と安定供給」の「ISO22301」取得から段階的に適用範囲を拡大し、2015年4月に「輸液の安定供給」に関して認証を取得しました。「ISO22301」取得は、組織がBCMの観点から、万全な事業継続能力を備えていることを証明するものです。大塚製薬、大塚製薬工場、大鵬薬品、大塚倉庫など大塚グループ全体で災害発生時においても最大限、事業活動を継続し、安定した製品供給ができるよう対策・体制の強化に努めています。

輸液を安定供給するための一つの策として、主力工場である松茂工場を津波から守る外周防潮堤の設置

製品の安定供給に向けた取り組み

当社の主力製品である輸液は、有事の際、初期治療で特に必要とされるものです。輸液の国内市場において過半数のシェアを占める会社として、私たちには甚大な災害下でも機能するBCP(事業継続計画)が求められます。輸液のリーディングカンパニーとして課せられた使命に鑑み、「生命の安全確保」「企業資産の保全」「製品在庫の積み増しと原材料の確保」「物流手段の確保」という四つの方向性からBCMに真摯に取り組み、製品の安定供給が可能な運営体制を構築しています。

生命の安全確保

社員の安全確保を第一に考え、緊急地震速報や安否確認システムの導入、非常時用設備の整備などに加え、全事業所に防災用品や食料品、生活用品を備蓄しています。また、毛布やマットなど帰宅困難者用の備蓄品も充実させています。

また、当社の社員も暮らす周辺地域と一体となった防災活動に取り組むことが、社員や地域住民の生命の安全確保に繋がると考え、地域住民や自治体と連携したさまざまな取り組みを行っています。

停電時に自動で20時間以上点灯するLED防災ライトを避難経路、避難場所に設置

製品在庫の積み増しと原材料の確保

輸液のリーディングカンパニーとしての責務に鑑み、生産施設に甚大な被害を受けた場合でも、治療に欠かせない製品やシェアの高い製品については、継続して供給ができるよう、在庫の積み増しを行うとともに、できる限り早い復旧を目指すBCPを策定しています。

また、生産施設が稼動できる状態にあっても、原材料が入手できなければ、輸液などの製品を生産することはできません。非常時に原材料の入手が困難になることにより、当社の製品安定供給に支障が出ないよう、私たちは、原材料メーカーの多重化も進めています。

在庫の積み増しを行っている製品保管庫

企業資産の保全

私たちは、製品の供給をストップさせないために、生産施設の耐震化や、工場敷地内の液状化の影響を抑えるための対策を計画的に進めています。

また沿岸地域に位置する生産施設に関しては、津波による浸水被害による影響を減らすために、外周防潮堤の設置や、ボイラー・電気系統など重要設備への防潮扉の設置などの対策を行っています。

さらに、事業継続に重要な役割を果たす情報システムについても、重要データやシステムの相互バックアップ体制を整備して、不測の事態に備えています。

松茂工場への外周防潮堤の設置

物流手段の確保

大塚グループの物流を担う大塚倉庫株式会社は、物流拠点の分散化やネットワークの構築、新たな在庫拠点の確保、受注センターの多重化などの防災を考慮した物流体制を整備しています。

また、生産施設と拠点倉庫を結ぶテレビ会議システムを構築し、緊急時に迅速な対応ができる体制を整えています。

大塚倉庫株式会社により、2015年9月、神戸市北区に新設されたBCP対応配送拠点「西日本ロジスティクスセンター」

地域住民や自治体との先進的な取り組み

内閣府発行の「平成28年版防災白書」に「大塚製薬工場と周辺自主防災会」の取り組みが掲載
地域住民や自治体との先進的な取り組みが評価され、自治体からの推薦を受け、内閣府が推進する地区防災計画の「平成27年度地区防災計画モデル地区」に「大塚製薬工場と周辺自主防災会」が選ばれました。そして、私たちの活動が、地元企業と地域自治会の連携による特徴的な取り組みとして、内閣府発行の「平成28年版防災白書」で紹介されました。私たちは、これからもより一層地域と連携し、防災に向けた先進的な取り組みを強化していきます。
当社が掲載されている「平成28年版防災白書」第1部第1章第3節3-3へ

地域住民と連携した防災体制

海岸にほど近い本社では、津波一時避難場所として地域住民に工場建屋の屋上を利用していただくとともに、防災用品、生活用品等の備蓄品の保管場所を提供しています。地域住民や関係者に対して、私たちのBCPの取り組みに関する説明会や施設見学会などのワークショップを開催するとともに、合同津波避難訓練などを実施し、地域と連携した住民参加型の防災活動を行っています。

地域連携に繋がるBCP説明会

自治体との積極的な防災連携

災害時に備え、周辺自治体と積極的に防災協定を締結しています。自治体の管轄内で大規模な災害が発生した、もしくは発生する恐れがある時に、自治体が実施する災害応急対策への協力として、調達可能な物資の供給や津波一時避難場所としての施設の提供など、当社がさまざまな協力を迅速に行うことを取り決めています。

鳴門市の防災協定調印式

徳島県企業BCP認定企業第1号

徳島県は、南海トラフ巨大地震等の大規模災害の発生に備えて、実践力の高い企業BCPの策定を促進することにより、県内企業の事業継続力および災害対応力の向上を図ることを目的として「徳島県企業BCP認定制度」を運営しており、当社はその第1号の認定を受け、現在に至るまで認定を更新しています。

徳島県企業BCP認定証交付式